君への距離~クリスマスの奇跡~




杏は満足そうに笑った。



海に反射した光に照らされた杏が眩しくてリサは目を細めて見ていた。



急に杏がリサに向かって走ってきた。





「リサぁ~!!」



杏に抱きつかれて、リサは尻もちをついた。



「痛いよー…杏~ぅぅう」



リサは泣き出した。



尻もちをついた痛みからでは、もちろんない。


杏はぎゅーっとリサを抱きしめた。



「シオは優柔不断だけどさ…きっとリサの気持ちに答えてくれる!



正直にさ、一回話してみればいいよ」





「杏のバカぁー…


泣いたら、化粧落ちちゃうじゃんか!」




「あはははは、いいじゃん♪」





「杏といっしょにしないでよ!あたしは女の子なんだから!!」




「あ―!言ったなぁぁ!!」




2人はゲラゲラ笑う。






杏はまた走り出す。

しばらく行ったところでリサのほうを振り返る。


「海、ほんとに入らないの?」




リサは呆れて笑う。



「今12月って分かってる?」





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