君への距離~クリスマスの奇跡~
一方、翼とシオはシオの車の中にいた。
「リサちゃんのこと、どうするつもり?」
翼が静かに言った。
「…わかんねぇ」
「杏ちゃんのことは?」
「杏は…
杏には、はっきりフラれたのに
まだ俺はズルズル引きずってて…
もうワケわかんねぇんだ!
お前の浮気がほんまやったら、ボコボコにしてやろうって思ったしな…」
「しねえよ…浮気なんかしたら、お前にも…ケンイチにも示しつかないだろ?」
シオはふっと笑った。
「そやな、
ケンイチが化けてでるぞ?」
2人はこらえきれずに吹き出した。
「リサちゃんと付き合ったのは、杏ちゃんを忘れるため?」
「…正解や、
最低やろ?」
「最低だね」
ふと、ポケットの翼のケータイが鳴った。