君への距離~クリスマスの奇跡~
【着信:水本杏】
「もしもし?」
「あ、翼くん?今まだマサキんち?」
「ううん、シオの車ん中で決着つけてた!」
僕はシオを見ながらおどけて言った。
「決着?…大丈夫なの?ケンカしないでよ?」
「平手打ちしたりしてないから、大丈夫♪」
隣でシオが笑っている。
「もう!…今からシオと海に来て!リサが決着つけてたがってるからさ♪」
「あはは、了解!」
「覚悟しろ―って、シオに言っといて♪」
そう言って電話は切れた。