君への距離~クリスマスの奇跡~
「あ、いたいた!」
翼は砂浜に座っていたリサを見つけおりていった。
シオも後をついていく。
「あ…」
「リサちゃん、シオに最低って言ってやりなよ!
思ったこと全部、言っちゃえ♪
なんならボコボコにしたって構わないよ?」
翼が優しく言った。
翼がシオをリサの隣に引っ張ってくる。
―あれ?杏ちゃんは?
翼がキョロキョロしていると、リサが海の方を指差した。
「あっちで走ってるよ」
「え?」
見れば杏は冬の海に膝まで浸かって走っていた。
「じゃあ、邪魔者は消えるよ!」
そう言って、翼は杏のほうへ駆けて行った。