君への距離～クリスマスの奇跡～

「前、すいません」

ローソン女は重たそうに箱を抱えながら杏たちの前を通り過ぎようとした。

「あん！」

でも箱を落としてしまった。

しかもリョースケの足の上に。


「うぎゃぁあ！」


「すいません！！」

大爆笑する杏とは逆にローソン女は大げさに謝る。


「大丈夫ですよ！リョースケ、石頭だし！きっと足だって…」


「それ関係ないし！石頭て、お前の投げたBanで意識とんだんだぞ！」


「…ほら、こんなに元気！」

杏は女に笑いかける。
「どこまで運ぶん？」
杏は目の前に落とされた箱を持ち上げていった。




するとレジから翼が走ってきて杏に言った。


「僕やるから！ありがとね」


そう言って杏から箱を取り上げた。


「へへ、ありがと！」

杏は笑顔で言った。



「翼ぁ～、お前女の子に力仕事させんなよ！女がみんな杏みたいにたくましいなんて間違いだかんな！！」




「リョースケ！！」

杏が怒る。


翼はそれをみてゲラゲラ笑う。


疲れが一気にとれていった。