君への距離~クリスマスの奇跡~
「うっわー!!」
部屋につくなり緊張がほぐれたのか、杏のテンションは最高潮。
「広―い!!きれい―!!」
部屋を見まわしながら感嘆の声をあげる杏を、翼は嬉しそうに見つめた。
「うわ!ベランダにお風呂ある!お風呂!」
「うん、そうだね!」
「浴衣もある!」
「うん、あったね!」
翼の受け答えに杏は不思議そうに首を傾げた。
何か挙動不審なのだ…
「お腹もすいたね~」
「あ、杏ちゃん!!ちょっと外行こう!!」
いきなり杏の手を掴む翼。
杏は焦る。
「外?え?今から?」
もうすっかり夜、
時計を見れば7時を回ったところだ。