君への距離~クリスマスの奇跡~
「島根、最高だね!」
「だね!」
大した理由もないのに笑いが止まらなかった。
「あと5日だね?」
「うん…」
翼のトーンが少し下がる。
「もうイヤってくらいくっついててやる~!覚悟しろォ~!!」
ガバッと杏が後ろから翼に抱きついて言った。
翼はまた笑顔になる。
「バイトいっちゃダメ!」
「もう行かないよ」
「あたしに何も言わずにどっかいっちゃダメ!」
「トイレも?」
「…トイレも!
あと、
リョースケと2人きりになっちゃダメ!」
「…どっから誤解をとけばいい?」
「でも、
イヤんなっちゃヤダ!」
杏の腕に力がこもる。
「なんないよ、約束する!」
翼は柔らかく微笑んだ。