君への距離~クリスマスの奇跡~
当たり前だけど、



夜のグランドは真っ暗だ。




二人はベンチに座って、無言で手を握り合う。



「杏ちゃん…」


翼がふっとしゃべりだす。



「今日なんか、とっても元気ないね?」



「…」



「電話したときも、





なんかあった?」




杏は強く首をふる。



翼の優しい声が、今の杏には辛い。





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