君への距離~クリスマスの奇跡~
ストレッチが終わり交代でバッティング練習が始まった。



バッティングを終えた翼はベンチでボールを磨いている杏の隣にやって来て座った。



「昨日、ジャンパー返さずにそのまま帰っちゃってごめんね!」

杏が言った。


「いいよ、こっちこそ遅くまで付き合わせちゃって…」


昨日は夜10時近くまで翼の部屋で杏は荷物をまとめる手伝いをしていた。



「…もうすぐだもんね、実習」



杏がさみしそうに言った。


来年の1月から3年は実習が始まる。




経済学部の翼やシオやリョースケ、マサキは企業へ。



保健福祉学部の杏とアツシはそれぞれ老人ホームや病院へと約半年の実習へいかなくてはならないのだ。




みんな地元近くの実習先に行くため実家に帰ってそこから実習に行くのだ。






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