只今、ミニマム化中につき。
悪いのは俺じゃない!
ドが付く「ドけち」な辰磨なんだ!と俺は思う。
前のバイト先ではこっそり唐揚げ弁当の唐揚げをつまみ食いしたのがバレて、三週間とちょっとでクビにされた。
その前のバイト先のファミレスでは、仕事中に凄く喉が渇いたせいでフリードリンクバーでメロンソーダを飲んでいたら、店長に見つかって二週間とちょっとでクビにされた。
他にもいくつかバイトしてみたことはあるんだけれど、何故だか、どれも長続きしない。
あとさ、これも何でだか分かんないんだけど、バイト先の男の人がみんな俺に対して冷たいんだ。
女の人はアイスくれたりお茶でケーキ奢ってくれたりして凄く優しいのに、男の人にはすんごい目で睨まれたりする。
そんな訳で俺はバイトが長続きしないせいで貧乏なんだ。
学食のカレーで紅生姜を大盛に入れてみたり工夫はしてるんだけども、高校男子の腹はそんなものじゃとても満たされない。
高校一年の時はそれでも頑張ってたんだ。
俺の横でいつまでも冷えかけた狐うどんを啜る辰磨を横目にひもじいのを何とか我慢していたんだ。
(うどんは熱々のを食べるから美味しいのに‥!)
だけど一枚の貼り紙によって事態は急変した。
″学食改装工事につき使用不可。生徒は弁当を持参すること。″
俺の頼りの綱である学食が使えなくなってしまったのだ。
コンビニの弁当なんかじゃ足りる筈が無い。
しかも、高い。
学食の倍くらいの値段がする。
俺はひもじかった。
ひもじかったから中休みに辰磨の弁当食ったら止まらなくて全部平らげてしまった。
これは流石にヤバいと思って「ゴメン」って謝ったのに、すんげー怒られた。
勝手に食うと怒られるし金は無いしで悲しかった。
そんな時にオレは学校の裏庭の大木の下で良いモノを見つけた!
なんかさ、白い紙の上に花の形をした薄ピンク色のお菓子が置いてあったんだ!
ラッキー!って思って食べたら凄いうまかった。
口の中でスーッて砂糖が溶けて行くんだけどさ。
スーッて、ほんと身体が溶けちゃいそうでさ。
_まあ、多分実際に溶けてたのかもしれないんだけどね。
気が付いたら俺は大きな衣服の中に居て、大きな辰磨が信じられないって顔で俺の事を見ていた。