【短編】ビターチョコレート。
そんなことを考えていたら何故だか、涙が溢れてきた。




「……わ゙たじもな゙な゙ぜみたいにり゙ぐのこどを理解じてあげだい゙よ゙ぉ〜……」




『杏?陸君の彼女は杏でしかないんだよ?私は杏の話を聞いて勝手にそう思ってるだけなんだよ。私が言っていることが全てあっているわけじゃないんだよ?』




七瀬の言葉はとても暖かかった。




とても暖かくて、余計に涙が溢れてきた。




『今、私は電話越しだから杏の涙を拭いてあげられない。だから自分でちゃんと拭きなネ?陸君の彼女は杏でしかないし、杏しか知らない陸君もいるはずだよ?杏しか知らない陸君の笑顔もあるはずだよ?ちゃんと思い出してごらん?』




「…わだしじか知ら゙ない゙り゙ぐ?」




『そう。杏しか知らない陸君がたくさんいるはずだよ?陸君も杏だからこそ、心を許している部分もたくさんあるはずだから。』




「な゙な゙ぜ〜゙」




私は鼻水混じりの声で言った。




『あーん!!!!あんたなら大丈夫だから!!!自分自身を信じなさい!!!陸君のこともちゃんと信じな!!!!それで、不安な事があるならすぐに陸君に相談すること!!!!たまには二人で話し合いなさい!!!!!!!!』




「……ばぁ゙ぃ゙〜゙」




私は力なく返事をした。




というか涙や鼻水がグチャグチャになっていて力ない返事しか出来なかった。



『ほら!!!!ちゃんと鼻水拭いて!!!!!!!』




「ばぁ゙い゙。」




『私も今からバイトだからもぅ電話切っちゃうけど、ちゃんと陸君と話し合いなね???』




「わ゙がっだぁ〜」
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