王様と料理人
料理人魂は、世界も年齢も越えて仲間意識を生み出すのだ。

「トーコの料理は可愛らしくて家庭的で暖かいね。ラウル様はきっとそんな料理を求めていたんだろうなぁ…。」

しみじみと言うチャドさん。

あのラウル様が家庭的な味を?

「どちらかと言えばフランス料理フルコースを3つ星レストランでって感じなのに。」

「?3つ星?」

あ、通じないか。

「んー…またゆっくり説明します。そろそろお茶を運ばなきゃ。」

「そうだね。私も仕込みの時間だ。…あ、これこれ。頼まれていた食材図鑑だよ。」

「ありがとうございます!嬉しい!」

チャドさんにお礼を言い、ラウル王の執務室へ向かう。

「失礼します、お茶をお持ちしました。」

扉を開ければ、ラウル王とリュウさんの姿。

「待ってたよ、トーコちゃん。」

< 18 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop