王様と料理人
「いや、別にー。」

アッサリ否定。

「どーしたの?急に。」

ラウル王にもリュウさんにも不思議そうな顔をされたので、チャドさんとのやりとりを話した。

「てっきり家庭料理が気に入って私が専属になったのかと…。」

「ふーん。」

なぜか薄い反応のラウル王。

「ね、トーコちゃん。」

「ハイ?」

「料理ってさ、作った人の人となりが表れると思わない?」

人となり?

…あー、そうかも。
うちのお父さんも確かそんな事言ってた。

『料理が俺の名刺代わりだ!』だったかな。

「なんとなく解る?」

ラウル王に確認され、無言で頷いた。



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