王様と料理人
「つまり、さ。俺はトーコちゃんが作った料理だから気に入ったの。」

コーヒーゼリーの最後の一口をすくい上げながら、ラウル王が言った。

「逆もまた然りですね。料理がお気に召して、そしてトーコ様もお気に召した。」

補足するように続けるリュウさん。

いまいちピンと来ないが、とにかく料理と人となりが揃って気に入られたと。

結構、いやかなり、誉められている状態なのでは…。

じわりと恥ずかしくなる。

「あ、ありが…」

お礼を言おうと口を開きかけた途端、ラウル王の言葉がかぶさった。

「ま、だから、俺は1日3回プラス1回、おいしーくトーコちゃんを食べちゃってるワケ♪」

な!?

目の前には、幸せそうなニヤニヤ笑いをするラウル王。

「出来れば早く本物のトーコちゃんを食べさせてもらいたいんだけどネ。」



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