王様と料理人
…は?

耳に飛び込んできた言葉が、じわじわと脳に伝達される。

「…っ!?な、何をおっしゃってるんですか!」

私を食べるって!?
食べるって!!!

自分の顔が熱い。

「あはは。トーコちゃん顔真っ赤。かーわいー。」

笑いながら、ラウル王の手が伸ばされる。

頬に触れる手が思いの外心地よく感じた。

「…って、何気なく触らないでください!!」

ササっと身を退く。

「あれ、気づいちゃった?もうちょっと触らせてよ、トーコちゃんのつるつるほっぺ。」

変態だ。
変態王がここにいる。

じりじりと逃げの態勢をとる私を見兼ねたのか、リュウさんが助け船を出してくれた。

「ラウル様。いい加減にしないとトーコ様の料理が食べられなくなりますよ。」

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