王様と料理人
王様と料理人の長い1日の始まり
有り得ない。
ありえない。
アリエナイ。
目の前の鏡に映る自分の姿を見て、呪文のように呟いた。
「トーコ様、よくお似合いですわ!」
…お姉さん、目が悪いんですね。
どこをどう見たらコレが似合っているんだろう。
淡いグレーのAラインワンピに、しっかり施されたメイク、まっすぐにおろされた黒髪。
見慣れない私が鏡のなかに立っている。
…やっぱり有り得ない。
いつもの白い料理人服、おだんご頭とすっぴんの顔に、今すぐ戻りたい。
「さぁトーコ様、そろそろお時間ですわ。たまにはお仕事を忘れて楽しんでくださいませ。」
ムリです、と言った私の声は、テンションの上がりまくった彼女には届いていないようだ。
嬉々として支度部屋から放り出された。
「どうしよう…。」
今日は、この国の建国記念日のような祝日にあたるらしく、国を挙げてのお祭りが行われている。
老若男女、身分を問わず、それなりの正装をして国のあちこちで開催されているパーティーに参加して楽しむのが常らしい。
当然城内でもパーティーはひらかれていて…。
ありえない。
アリエナイ。
目の前の鏡に映る自分の姿を見て、呪文のように呟いた。
「トーコ様、よくお似合いですわ!」
…お姉さん、目が悪いんですね。
どこをどう見たらコレが似合っているんだろう。
淡いグレーのAラインワンピに、しっかり施されたメイク、まっすぐにおろされた黒髪。
見慣れない私が鏡のなかに立っている。
…やっぱり有り得ない。
いつもの白い料理人服、おだんご頭とすっぴんの顔に、今すぐ戻りたい。
「さぁトーコ様、そろそろお時間ですわ。たまにはお仕事を忘れて楽しんでくださいませ。」
ムリです、と言った私の声は、テンションの上がりまくった彼女には届いていないようだ。
嬉々として支度部屋から放り出された。
「どうしよう…。」
今日は、この国の建国記念日のような祝日にあたるらしく、国を挙げてのお祭りが行われている。
老若男女、身分を問わず、それなりの正装をして国のあちこちで開催されているパーティーに参加して楽しむのが常らしい。
当然城内でもパーティーはひらかれていて…。