王様と料理人
「なんですか?」
いい加減、イラつきながら聞き返す。
「………やっぱりナンデモナイ。」
「…そうですか。それでは離れてください。」
そろそろ堪忍袋の緒が切れそうです。
心の声が聞こえたのか、肩にあった重みがなくなった。
しかし、腰に回っていた手にチカラが込められる。
そのまま反転させられ、ラウル王と向かい合った。
「どうされたんですか、一体。」
「んー、ちょっと、ネ。」
そこでやっと、俯き気味だったラウル王が顔を上げた。
「…わ。トーコちゃん綺麗だね。」
自分の、なんとも落ち着かない格好を思い出す。
忘れてた。
部屋に戻らねば。
「ラウル様、そろそろ部屋に戻りますので、失礼させていただきます。」
一言告げて立ち去ろうとすれば、また捕まれる腕。
「ダメだよトーコちゃん。…はい、こっち来て。」
そのままズルズルと連れて行かれる。
びくともしない拘束と、急に楽しそうな笑顔を見せ始めたラウル王に、なんだか嫌な予感が胸を過った。
…長い1日の始まり。
(トーコちゃん)
(早く俺のモノになってよ)
(そうしたら絶対)
(他の男の名前なんて呼ばせないのに)
いい加減、イラつきながら聞き返す。
「………やっぱりナンデモナイ。」
「…そうですか。それでは離れてください。」
そろそろ堪忍袋の緒が切れそうです。
心の声が聞こえたのか、肩にあった重みがなくなった。
しかし、腰に回っていた手にチカラが込められる。
そのまま反転させられ、ラウル王と向かい合った。
「どうされたんですか、一体。」
「んー、ちょっと、ネ。」
そこでやっと、俯き気味だったラウル王が顔を上げた。
「…わ。トーコちゃん綺麗だね。」
自分の、なんとも落ち着かない格好を思い出す。
忘れてた。
部屋に戻らねば。
「ラウル様、そろそろ部屋に戻りますので、失礼させていただきます。」
一言告げて立ち去ろうとすれば、また捕まれる腕。
「ダメだよトーコちゃん。…はい、こっち来て。」
そのままズルズルと連れて行かれる。
びくともしない拘束と、急に楽しそうな笑顔を見せ始めたラウル王に、なんだか嫌な予感が胸を過った。
…長い1日の始まり。
(トーコちゃん)
(早く俺のモノになってよ)
(そうしたら絶対)
(他の男の名前なんて呼ばせないのに)