王様と料理人
ライオンがしゃべった!?

声帯とか生態とか、どうなってるんだろ…。

思わずまじまじと見つめてしまう。

「はは。久しぶりー、ラウリエル。」

「お久しぶりです、ラウリエル様。」

『あぁ。』

驚く私におかまいなしで、和やかに話している3人。

否、2人と1匹…1頭?


『ところでお前、美しい黒髪だな。』

ライオン、もとい、ラウリエル様に突然話し掛けられた。

「可愛いでしょー。トーコちゃん。俺のお嫁さん。」

「…初めまして、トーコです。異世界から来ました。色々あってラウル様専属の料理人をさせていただいてます。決して嫁ではありません。」

自己紹介しつつ、ラウル王の言葉はきっちり否定しておく。

『異世界から…。なるほど、それでその髪の色か。』

納得したらしいラウリエル様。

「ラウリエル様は、異世界への行き方をご存じではありませんか?」

神様なら知っていそうだと思い、聞いてみる。



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