王様と料理人
『桐子。』

え。

『神田、桐子。』

「ど、して…。」

どうしてラウリエル様が。

「私の名前…。」

『見せてもらった。』

「…見た?」

『俺は護りを付ける時に、名前を使う…だから、お前の名前を見た。』

さっきの妙な感覚はそのせいか。

『お前の名前に、俺の守護のチカラを入れ込んでおく。これでこの世界に居る限り、お前は大抵の事から護られる。』

「あ、ありがとうございます…!!」

よく分からないけれど、かなり有り難い事をしてもらったようだ。

何よりも。

「ラウリエル様。…私の名前を呼んでくださってありがとうございます。」

それが嬉しい。



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