デイジリ
「おう。じゃあな。」
いつもと様子が違う、柚菜の姿に少し戸惑いながらも、凛は家に向かって歩いていった。
帰り道の二つ目の交差点にある 自動販売機は凛のお気に入りだ。
「今日もやっぱり、イチゴ・オレにしよーっと!」
真っ赤なラベルに、二本の白い線が入った缶の、イチゴ・オーレは凛のお気に入りである
「ごくっごくっごくっ。うまーい!やっぱ学校帰りのイチゴ・オーレは最高だ。」
7 7 7 7
「え?まぢかよ!今まで中学生活二年とちょっとで、一回も当たったことなかったのに!ついてない日だと思ってたけど、今日はついてるかも!」
その自動販売機は、いわゆる当たり付きの自動販売機で、『7が4つそろえばもう一本!』なのだ。
「じゃあ。もう一本は何にしようかなー」
「ただいま!!」
凛は家に帰ってきた。
「おかえり!学校はどうだった?」
凛の母親はいつも通り凛に聞いた。
「どうだった?>って聞かれても、なんもなかったよ。」
凛は部屋に入っていった。
「あぁ。疲れた~」
部屋のドアを開けるとそこには、あの時の少女が座っていた。
ガチャ!凛は扉をしめた。
少しの時間をおいて
凛はもう一度扉を開けた。
「月乃みさき!!!!!!なんでお前がここに???」
「あんた!そのカバンの中見せて。」
「いきなり来て、カバン見せろってなんだよ!!つーか なんでお前がここにいるんだよ!!!」
「見せろって言ったら見せなさい!」
「ってゆーか、どこから入ってきたんだよぉ!」
「窓」
「そんなあっさり言うことかぁ!」
「事実なんだから。あっさり言うわよ。」
もっともな答えに凛は黙ったまま、うなずいた。
「それより早くカバンの中を見せなさい。」