特別な夏を約束する
春:入学式
―4月
季節は春。
今日は私立秀英高校の
入学式だ。
満開の桜の木の下で
1人の少女が
桜を見上げている。
「千華っ!」
声をかければ
にっこり笑って大きく
手を振ってくれた。
俺も桜を見上げた。
「和希久しぶりだね!」
「おぅ、1年ぶり位か?
でもまさか千華が
秀英に来るとは
思わなかったよ」
「えっ?…あぁ、うん。」
「本当によかったのか?
遥達に付いてかなくて?」
「はるちゃんは関係ないよ。だってちぃが秀英に行くって決めたから…」