時をかけた僕等

久商だ。

久商に逢えた。

由梨は目をパチクリさせていた。


高校の時にいつも見ていた

黒髪のサラサラヘアの久商だ。



「松っつん!!!!」


茶髪男が先生を指さした。


「超-久しぶりじゃん!!!」


クラスがざわついた。


「君はー・・・」


先生はクラス名簿を見ていた。


「俺だよ川村!!忘れたとか言わせねぇよ」


先生「いや・・・君とは初対面だけど」


先生は困惑していた。



川村「何言ってんだよ松っつん。3年間俺らの担任だったじゃん」


先生「人違いじゃないのか?」


「隼人辞めとっけって」



久商がボソッと茶髪男に言ったのをアタシは聞き逃さなかった。



「えっと・・・とにかく川村と赤松は席に着いて」



先生に言われ茶髪男、川村と久商こと赤松はそれぞれ着席した。




「再度言うが今から入学式があるから皆体育館へ移動する。それからケータイ電話を持って来ている生徒は体育館には持って行くのを禁止する」



その時
タイミング良く
ケータイの着信音が流れた。



「何?MDから音楽漏れてるの?」


「この歌手、安室?」


「こんな曲あったっけ?」



先生「誰だ-?CD聞いてる奴は」



川村「ゴメン、俺のケータイ」


川村はすぐにマナーモードにした。


先生「ケータイで音楽なんか流れるわけないだろ-。CD聞いてる奴はちゃんと修理しておけよ-。音が漏れてるぞ-」


クラスは笑い出した。






チョット待って。

アタシ達が高校生の頃って
着うたなんか存在してなかった。



しかも流れてた曲って
安室チャンの新曲だし・・・。



もしかして
あの川村くんって男子も
タイムスリップして来た?



*




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