〈BL〉約束は保健室で。
鬼の風紀委員長とまで言われている僕が、まさかの失態。
ほかの生徒や委員の奴等から見れば絶対気持ち悪いだろう。
それが分かるほど、自分は今ニヤけている(はず)。

「…たった10分ですか、しょうがないですねぇ…」
「なっ…してやるだけありがたいと思え!」
「ふふ…そういう事にして置いてあげますよ」

憎まれ口を叩いたのは、単純そうな彼が反抗してくれるのを考えて。
反抗してくれないと、こんな大の男が頬を染めてニヤついている顔なんてみっともなくてとても見せられない。
というか、見られたくない。

彼にだけは、絶対。
それが何故なのかなんて、自分でも全く分からないのだけど。

「…膝、いいですか?」
「うぇ…!?」

間抜けな声を出して、こっちを見る。
反応も面白い。

「………。」

また頬を染めておずおずと膝に寝転がれるように動く。
押し寄せる衝動。

僕より一回りほど小さくて細い体を無償に抱きしめてしまいたいと思った。
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