Band Man!!
「それ、美味しいだろ」




「まあ、確かに美味しいですけど・・・」




ギター弾いてた茶髪の
一番チャラそうな人はにこにこしながら
あたしに話しかける。
絶対次はその手に乗らないんだから。
・・・って既にお菓子食べながら
言えることじゃないんだけど!




「ボーカルやってくれない?」




「無理です!」




あたしは断固拒否する。
大体、なんであたしなのっ!



「だってお前、歌上手いじゃん」




「上手いじゃんって・・・
あたしの歌聞いたことないくせにですか?」




ちょっとだけイヤミ交じりに言ってみた。
・・・はずだったのに、
その人は自信満々に
「あるぜ♪」と答えた。




「どこでですか」





「文化祭でっすよーう★」




ん・・・?文化祭・・・?
あたし歌ったっけ・・・
文化祭・・・文化祭・・・文化祭・・・


あっ!!!!!!!!!!!
思い出した・・・
あれはあたしにとって
完全なる悪夢だったのにっ。
なんでこの人たち聞いてんのよっ!



ちょっとその人をにらんでみた。




にこにこ。
にこにこ。
にこにこ。




・・・あーっ、もう!!!




嫌って言ったら嫌なんですーっ!!
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