神様は知っている




「幸助何処に住んでる?」


「俺?あそこ。」




俺は教室から微かに見えるビルを指差した。





ここからみるとあんなに小さいのか……




「……はぁ!?あれ!?正気かよ!!」

「ちなみに一番上だ。」


「はぁ!?」


「若干高いけど、景色が凄く良くて……」


「はぁ!?」


「………………」


「はぁ!!?」


「黙れ」





純平ってうるせぇな……





そんなに変なこと言ったか??




「幸助…お前マジか?」


「?マジですけど?」


「すげぇ…超金持ちじゃん。親何してる人??」


「……さぁな。」





親なんて居ないしな……






別に言っても良いんだけど。何でだろう……。






今は人間だから。言いたくないみたい……



俺が神様の考えなら、全部話しちゃうんだけど、





……高校生の考えだと、親が居ないことを友達に話すのは嫌らしい。





なんというか……



………………悲しい。







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