君の隣で ーセンセイとアタシー
俺に携帯を返した鈴村はニコッと笑うとカバンを持った
「じゃあ…私はこれで」
「えっ…帰るんですか?鈴村先生」
「えぇ…」
その時の鈴村の笑顔に気づけばよかった
のに…その時の俺はなにも気づかなかった
俺の携帯から和奏に『すぐに帰るから』と送られていることに気づかなかった
それから俺は真壁に和奏とのことを話した
「…藤咲和奏か…あの『無自覚キュート』だろ?」
「あぁ…」
「結婚するのか?」
真壁が淹れてくれたコーヒーをゴクリと喉に通した