君の隣で ーセンセイとアタシー
side.wakana
あぁ~!電車間に合わないよ~
葵衣さんのキスにぽけっとしていた、あたしは走っていた
時間を確認することすら無駄に思えて、あたしはひたすら走っていた
もし電車に間に合わなかったら…?
昨日までのあたしなら葵衣さんに置いてかれるかも…なんて思っていたに違いない
でも…今は
「和奏!」
あたしを呼ぶ声に不安なんか感じない
「ごっ…っはぁっ…はぁっ…めん…」
駅構内のいつもの柱に寄りかかっていた葵衣さんを見つけて、一目散に駆け寄った