君の隣で ーセンセイとアタシー
マンションに着くと和奏はノロノロと車から降りると、危なっかしくフラフラとエントランスに向かった
「わ、和奏っ…ちょっ…」
俺はいきなりそんな行動に出ると思わなくて焦りながら和奏の後を追った
エレベーターのボタンを押したばかりなのか、ぼんやりと階表示を見上げていて少しほっとした
「こちらお使い下さい…」
エントランスの受付(セキュリティーはばっちりな俺のマンション)が俺たちの濡れようにタオルを出してきてくれた
「あぁ…」
俺は濡れたままの和奏の髪にそっとタオルを乗せると、水気を取るように滑らせた