君の隣で ーセンセイとアタシー


side.wakana


ピチャン、ピチャン


湯気で満たされた室内はむわっと熱い


「はぁ…」


ため息は湯気に消えていく

それでも同じようにあたしの心の中の『モヤ』のようなものは消えてはくれなかった


むしろ時間が経つに連れてどんどん濃くなっていくように、心は沈んでいった


『いじめ』をはじめてされたショックが大きすぎて、考えたくないのに『あの時』の先輩たちの表情がずっと残ってあたしの頭の中をかき回す



『わかるまで呼び出すから』


わかってないのはあなたたちなのに




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