君の隣で ーセンセイとアタシー
「先生と…一緒?」
「まだみんなは見学中だから5:30頃にならないと来ない」
「あ、あたし4050号室だから…そこで良いです…」
「ダメだ、藤咲を一人にしたら先生が付き添っている意味がない」
教師モードの俺はつい、自分を『先生』と言い、和奏を『藤咲』と言ってしまった
その時の和奏の傷ついた表情にぎゅっと心臓を掴まれたように痛んだ
誰もいないこの空間の中で『和奏』と言えば良かったのかもしれない
でももう…言ってしまった後だ…
「そっそうですね、先生の立場がありますもんね、すいません、気づかなくて」
「……いや」