君の隣で ーセンセイとアタシー


浴衣に着替えて携帯で時間を確認してから部屋を出た


「あ、王子、浴衣だぁ」

「いやーん、今年でよかったぁ~」


遠巻きに見てくる生徒の声が聞こえた


浴衣だぁって俺も毎日毎日スーツばっかり来てるわけじゃない


楽な服装だってするさ



「如月先生?」


はぁ…そうだ、こいつも同行の教師だったのを忘れてた


その声に振り向いた、なるべく笑顔で


「はい、鈴村先生」

「あっ、浴衣着てるんですね?いつもと違って見えますね」

「そう、ですか?」


いつもってなんだよ

俺のいつもを知ってんのかよ




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