君の隣で ーセンセイとアタシー
side.wakana
バスに乗り込む第一歩
久し振りに一人で乗ることに足が震えた
あの日以来、一人で電車やバスに乗れなくなってしまった
後ろで気持ちが悪い荒い息づかいを思い出しただけで吐き気がした
「大丈夫ですか?」
あたしの後ろの席に座っていた大きなお腹の女性が肩に触れてきた
「ぁ…はい、だ、大丈夫です…」
「そう?…なんだか顔色が悪いみたいよ?」
そうなのかな?
嫌な汗がほっぺたを伝った
ダメだ…なんか頭がぐらぐらする…
「ねぇ?あなた…本当に大丈夫?」