君の隣で ーセンセイとアタシー
あたしは人前で泣けない
泣いたことがない
お父さん、お母さん、お兄ちゃんたちの前でも、泣いたことがない
どうしてなんだろう…
あたしにもわからない
RRRR…
特別室にひかれている電話が鳴った
あたしはベッドから出ると電話に出た
「はい?」
『お父様からお電話が入っております』
「は、はい…」
『和奏?…大丈夫かい?真由美から倒れたって聞いて驚いたよ』
「うん、ごめんなさい…」
『和奏が無事ならいいんだ、それより…私の記憶違いなら良いんだが、確か葵衣くんと一緒に登校するって話じゃなかったかい?』