君の隣で ーセンセイとアタシー


あたしは人前で泣けない

泣いたことがない


お父さん、お母さん、お兄ちゃんたちの前でも、泣いたことがない


どうしてなんだろう…
あたしにもわからない


RRRR…


特別室にひかれている電話が鳴った


あたしはベッドから出ると電話に出た


「はい?」


『お父様からお電話が入っております』


「は、はい…」


『和奏?…大丈夫かい?真由美から倒れたって聞いて驚いたよ』


「うん、ごめんなさい…」


『和奏が無事ならいいんだ、それより…私の記憶違いなら良いんだが、確か葵衣くんと一緒に登校するって話じゃなかったかい?』




< 53 / 345 >

この作品をシェア

pagetop