君の隣で ーセンセイとアタシー


佐山が俺にしか見えないように嫌味な笑顔をして病室を出て行った



「……」

「……」



広い特別室に二人きりだと気まずい


俺は窓際のソファーに腰を掛けた


和奏は俺を見ないようにサイドテーブルに置いていた小説に手を伸ばした


まるで俺との会話を拒否するように


なんだよ…さっきまで楽しそうに佐山と話していたのに…


それにさっきは俺に触れられるのも拒否した


……俺のせいだ…寝坊なんかするからだ


そうわかっていても、佐山と話していたことは腹が立つ




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