君の隣で ーセンセイとアタシー
鈴村の話を付き合うのもイヤだったので、鈴村を拒否するようにくるりと背を向けた
「……先生、彼女はいないって言ってましたよね」
「……えぇ」
「彼女じゃなくて…好きな人はいるんですか?」
好きな人
その言葉を聞くとすぐにはにかんだ和奏の顔が思い浮かんだ
「いますよ」
即答して、もう一度鈴村に向き直った
「だから諦めてくれます?」
「…好きな人って…生徒じゃないですよね?」
鈴村は「違うって言って」って求める表情
俺は鈴村に言われるまでもなく
「違いますよ」
その時の鈴村の表情はなにか引っかかった
のに…気づけてれば…良かったな