おそろいのキーホルダー
辛いなら、見なきゃいいのに。
それは、自分にも言えることで…
辛いなら、見なきゃいいんだ。
なのに、見てしまうのはどうしてだろうね?
先輩の黒髪がサラサラと揺れるたびに、
先輩の綺麗な瞳が健ちゃんを見るたびに
いつか、健ちゃんをとられちゃうんじゃないかって怖くなった。
あたしは、見ていれなくなっておにぎりを一気に頬張った。
だって、早く食べちゃえば健ちゃんは先輩を見なくて済むでしょ?
あたしは、辛そうな健ちゃんを見なくて済むでしょ?
ねぇ…
そうでしょう?