巫女が捧げるモノ



「やっぱりそうか。だからか」


「……?」



ぶつぶつと何か喋っているけれど、私には聞こえなかった。


と言うより、私はリアスに見とれていたから何を言っていたのかすら興味なかった。



「何かいいもん見っけた」



ニヤリと笑った彼は私を見つめてそう言った。


その瞳は一瞬バイオレット色に染まったような気がしたけれど。


瞬きをした瞬間に琥珀色に戻っていたから、気のせいだと思う。



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