巫女が捧げるモノ
「巫女様!ここでございます」
その男性が案内してくれた少し古臭く小さな家に入ると、
そこは、異様に生暖かい空気に包まれていた。
「おい、サヨ、タイチ、巫女様がいらしてくれたぞ。大丈夫か?」
「うぅーうぅー」
どうやら、床に伏しているこの二人がこの男性の妻と息子のようだ。
「…昨日、急に二人して倒れたのです。皆は隣の村に流行り出した病ではないかと…。二人とも苦しそうに唸るばかりで…」
…流行り病?
それにしては、何かピリピリするこの感じは何なのだろうか。
ただの病ではない気がする。