巫女が捧げるモノ
「あなた、髪伸びたわね?それに…美しい漆黒の色」
「…確かに、長くなったかも…」
「心雪は知っているかしら?巫女はね、髪が長く、漆黒で美しくあればある程、神のご加護が強いらしいの。
それに、黒髪には髪の力が宿っているんですって。
あなたは、きっと神の愛娘だわ」
確かに、昔から私は自分の髪が自慢だった。
皆、綺麗だねって言ってくれていたし。
だけど、母から聞いた話は初耳で。
そんなに大それたことを言われると、こちらの荷が重くなる。