君にゾッコン注意報
「…素直じゃないところも。」
『……。』
「でも実は、誰よりも素直な所も。」
『……。』
「男嫌いなところも。」
「全部が、好き。」
あたしの頬から1つの涙が零れ落ちる。
無意識に、自分から先生の腰へ腕を抱きしめ返していた。
そんなあたしに、先生は優しく髪を撫でてくる。
…ねぇ、本当は知ってたよ。
試したりしなくてもわかっていた。
先生は健くんとは違う。
ちゃんと、あたし自身を見てくれる。
ちゃんと、あたし自身を愛してくれるって。
本当は、気づいてたの。