君にゾッコン注意報


キーンコーンカーンコーン…



ちょうどその時、最終下校を告げるチャイムがなった。


あたしは慌てて立ち上がる。



やっばーい!

今日、お母さんに卵買うように頼まれてたんだった!


急いで買いに行かなきゃ!



『先生、あたし帰るね!』



机に散らかしてた勉強道具をがむしゃらに、カバンの中に押し込み、

あたしは数学教師室から出ようと、ドアノブに手をかけた。


その時だった。



「…美緒!」



愛しい声によって、急いでいたはずの足を一時止める。



< 262 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop