偽りの代償


ゆいを抱きしめていた腕を解く・・


そして・・


「もう一度チャンスをくれ・・・」


「・・・・・」



ゆいは何の反応もない・・・



「・・・・行きたいとこがあるの・・」



行きたいとこ?





*********



ゆいが行きたいとこは東京タワーだった・・。



夜景を見てるゆい・・



「ここにね・・昔来たことがあったの・・でも車椅子になったとき、もう来れないと思った・・でも、こうしてまた来れたわ・・」



「・・・・・」



「高校のとき、海くんとここに来たいっていおうと思ったけど、ダサいっていわれるかもって言えなかったの・・」


「そんな・・・言ってくれれば連れてきたよ・・」


「あのとき、高嶺の花のような海君におねだりなんてできなかった・・付き合ってもらえるのさえ奇跡だとおもったしね・・実際、私とは賭けで付き合ったじゃない」


「・・・・」



「でも・・・こうして来れた・・・あと・・もう一つ行きたいとこがあるの?」






「どこだ?」









「行きたいのは・・」





それはおれにとって意外すぎる場所だった。




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