偽りの代償

俺を知らないという彼女のかつての笑顔・・・

思わず・・・

「・・ええ・・高校のとき少し・・」


「そうなんですか・・」

ゆいは少し安心したようにホッとする。


「あの・・ときどきでいいからまた来て下さい・・夫がいるときでもかまわないので・・・」

「ええ・・そうします・・・。」

＊＊＊＊＊＊＊＊


俺は病室をあとにした。



ゆい・・キミは俺を・・覚えていないんだな・・・

悲しいがそれはいいかもしれない。


俺がキミにした仕打ちを忘れることが・・すこしでも幸せになるなら・・




「おい・・」


呼び止めたのは・・・



後藤・・・

「なんでお前がここに？」


「・・・・偶然みかけて気になって・・」



「まさかゆいに会ったのか？」


「・・・・悪い・・」


ダンっ！


後藤は俺を壁に押し付ける。


「おいっ！もうここに来るな！」


「・・・・俺のこと忘れてるみたいだった・・どういうことだ？病気か？」



「・・・・」



「頼み教えてくれ！」