偽りの代償
ゆいにとって普通に過ごすことが幸せだったのか・・


「ほんとは友達をたくさん作って毎日遊びにいったり、騒いだりもしたかったんだ・・だが身体のことを知ると、例外に思われて、離れていく・・そんな思いをなんどかしてきて目立たないようになった・・俺はそんなあいつをただ見守っていた・・」



後藤のやつはゆいのことを・・・


「身体も昔よりは良くなったらしく、無理しない程度なら体育も出れるようになった・・・だけどゆいは孤独だった・・自分なんか一生恋愛できないってあきらめて・・だけど、お前に好きだと言われて・・付き合うことができて初めて女の子でよかったと喜んでいたんだ・・だけど、ゆいには普通の女の子のようなまったくの健康体じゃない・・前よりよくなっても制限されていたこともあるんだ・・食べるものだってきまりがあるらしいし、タバコの煙だってだめだ・・」



それを聞いたとき、ゆいのかつての行動を思い出す・・


ゆいはタバコの煙を嫌がっていた・・だけど気にしないように・・・


どこかに食べに行くにもときどき考え込んでるときがあった・・



「あいつには睡眠時間も大切なんだ・・それなのに、それなのに毎朝両親に心配かけないようにこっそり早起きして・・・」


こっそり早起き!じゃああの弁当は貴重な睡眠時間を削って!


「お前・・タバコ吸うよな?ゆいはやめてと言わなかったろ?」


「・・・ああ」


「自分にとって普通の人間よりも害があるのに辞めてと言わなかった・・それはお前に嫌われたくなかったからなんだ・・・なのに・・・」




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