黒い天使―私と天使の秘密な関係―
Chapter.1*突然の同居*
「はぁ……」
口から漏れる溜め息。
仕事が終わってから溜め息が出たのは何回目だろう……。
電車に乗ってる時も、電車を降りてアパートまで歩いて帰ってる今も、口を開けば出るのは溜め息ばかり。
『入社して何ヶ月経つのよ!』
『早く仕事を覚えてくれなきゃ困るんだけど?』
『何でこんなミスするのよ!私への嫌がらせ?仕事を増やさないでよね……ったく!』
『泣けば済むと思って!』
『アナタの代わりなんて沢山いるんだからね!』
今日、1日で会社で言われた事が頭を過ぎった。
入社して半年。
私に仕事を指導してる先輩の川上(カワカミ)さんからは毎日のように怒られてる。
褒められた事なんて1度もない。
会社、辞めちゃおうかな……。
私は目に溜まった涙がこぼれ落ちないように、薄暗い10月の空を見上げた。