黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「そうだって言ってんだろ?」
彼が冷たい目で私を見た後、体を横に向けた。
「聞いていい?」
「何?」
顔だけこっちに向ける。
「目的は?何のためにここに来たの?」
「お前の……恋を見守るために……」
「恋を見守る?」
「村上隼斗との恋だよ!」
彼は怒ったような口調でそう言った。
「えっ?い、いいよ……。別に見守ってくれなくても……」
私は村上先輩に恋してるだけでいいんだから。
片想いでもいいから。
「そういうわけにはいかないの!仕事なんだから」
「仕事……」
「そう、仕事。仕事が終わったら消えるから安心しろ」
「いつ終わるの?」
「お前の恋が実ったら……」
じゃー、ずっと消えないじゃん。
私の恋は実ることないし……。