黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「でも……」
「まだ何かあるのか?」
「天使って、クルクルパーマの金髪で、白い服を着てて、背中には羽があって……。でもレンは黒いスーツ着てて、クルクルパーマの金髪でもないし、背中に羽もないし……。天使って言うより悪魔みたいだね。それに携帯を持ってたりタバコを吸ったりしてるし……」
「そのクルクルパーマの金髪で、白い服を着てて、背中に羽がある天使は人間が勝手に想像したもんだろ?これが本当の天使なんだよ。天使だって携帯も持つしタバコも吸うんだよ」
「何か今まで思い描いてた天使像が崩れちゃった感じ」
「そりゃ悪うございました」
「いえいえ」
レンがクスクス笑う。
私も釣られて笑った。