黒い天使―私と天使の秘密な関係―
アパートの鉄で出来た冷たい階段を上がる。
静かな中に、階段を上がる音が響く。
2階の1番奥の部屋。
鞄から鍵を出して、玄関の鍵を開けた。
「ただいま……」
そう言ったところで、1人暮らしの部屋だから返事をしてくれる人なんて……。
「おかえり」
いた……。
…………って、えぇぇぇぇ!!!
玄関を入った脇にあるダイニングの電気を慌ててつけた。
明るくなったダイニング。
そこに置いてあるダイニングテーブルの椅子に座る1人の男。
"バサッ!"
両手に持っていた荷物が、玄関の床に落ちた。