黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「あっ!それから……」
またレンがドアから顔だけ出してきた。
「何?まだ何かあるの?」
キッとレンを睨みつける。
「真桜は怒った顔より笑ってる顔の方が可愛いよ」
そう言うと、レンは脱衣所のドアを閉めた。
誰が怒らせてると思ってんのよ!
キィー!
私は椅子に座って、冷めたお茶を一気に飲んだ。
もー!早く消えて欲しい……。
でもそれには私が村上先輩との恋を実らせないといけない。
はぁ……。
口から溜め息が漏れた。
だけど、私にはそんな自信がない……。
もー!どうすればいいのよ~!
あぁ……。
それに、レンの言ってた決まり事も気になるし……。
決まり事って何なの?
レンが言った決まり事。
私は知らなくてもいいって言ってたけど……秘密にされると余計に気になる……。
でも秘密の決まり事を私が知るのは、もう少し先の話――。