黒い天使―私と天使の秘密な関係―




「おかえり」



目を見開いたまま動かない私に、再び笑顔でそう言う椅子に座った男。


長めの黒髪、切れ長の目にガラス玉のようなブルーの瞳は、どことなく冷たさを感じる。
透き通るような白い肌。


真っ黒なスーツを着ている男は、美しいという表現がピッタリと当て嵌まる……まるでマンガに出て来る白馬に乗った王子様のような……。


部屋、間違えた?


でもダイニングもそれに続く奥の部屋も見覚えのある私の部屋だ。


でもダイニングテーブルの椅子には知らない男が座っている。


私が仕事に行ってる数時間の間に何があったのか……。


この目の前にいる知らない男は誰なのか……。




< 3 / 80 >

この作品をシェア

pagetop