黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「おかえり」
目を見開いたまま動かない私に、再び笑顔でそう言う椅子に座った男。
長めの黒髪、切れ長の目にガラス玉のようなブルーの瞳は、どことなく冷たさを感じる。
透き通るような白い肌。
真っ黒なスーツを着ている男は、美しいという表現がピッタリと当て嵌まる……まるでマンガに出て来る白馬に乗った王子様のような……。
部屋、間違えた?
でもダイニングもそれに続く奥の部屋も見覚えのある私の部屋だ。
でもダイニングテーブルの椅子には知らない男が座っている。
私が仕事に行ってる数時間の間に何があったのか……。
この目の前にいる知らない男は誰なのか……。